人手不足解消のためのさまざまな取り組み

2015年にまとめられた国の報告によれば、2025年には介護業界において約38万人もの人材面における需給ギャップが生じると推計されています。これは、言うまでもなく高齢化の進展による介護ニーズの増加が主な要因となっています。

ただ、介護業界の人手不足は何も将来に限った話ではありません。業界団体が2014年に行った実態調査では、5割以上の事業所から人手が足りないという回答が寄せられていました。

こうしたことから、現在では介護業界において人手不足の解消に向けたさまざまな対策が講じられるようになっています。それをマクロ面から主導しているのは言うまでもなく政府で、具体的には外国人労働者の受け入れや要介護人口を増やさないための健康増進策の実施などが取り組まれています。

より実践的な施策としては、介護福祉士養成施設等で学ぶ者への学資貸付制度などがあります。また、かつて介護職員として働いていたが現在は離職している者に対し、再就職に必要な準備金を貸し付ける制度もあります。どちらの貸付金に対しても、介護業界において一定年数以上就労すると返済が免除されるようになっています。

その他、個々の介護施設においてもさまざまな人手不足解消のための取り組みが見られます。メインとなるのは就業意欲の向上策で、処遇改善や表彰・評価制度の採用などが重点的な取り組みとなっています。また、介護ロボットや離床センサーといった先進技術を導入することによって、職員の負担軽減を図る動きも見られています。